独学で立体裁断を学ぶにはPart.2 [実践]
このページは 独学で立体裁断を学ぶにはPart.1 [基礎] の続きのページになりますので、
先に基礎のお話しを読んでください。
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9.立体裁断にチャレンジ
色々な補正を繰り返し補正が正確にできるようになったら、ゆるみ分や生地の地の目の大切さ、
生地の落ち方なども理解できているはずです。そこで初めて立体裁断へとなります。
立体裁断の本を買って勉強するのはこの段階からになります。
タイトスローパー(ゆるみなし原型)の作り方。パネルラインの作り方。
衿や袖のバリエーション。ギャザーやダーツ、フレアー(ドレープ)などの入れ方など。
アイテムとしては、ブラウス、スカート、ワンピース、ジャケット、コート、パンツなど、
いろんなものを本を見ながら実際にどんどんやってみましょう。
なぜ、この段階でやっと立体裁断なのか?
いい立体裁断の本はとても参考になります。
でも頭で理解するのと、実際にやるのとでは全く違う世界なのです。
どんなに詳しい写真が載っていて「へぇ〜」と思っても、それを自分で再現できるかは別ものです。
例えば、有名な名画を見ても誰でも同じように描けないのと同じことです。
その絵に使われている技法や絵の具の調合なども知らないと模写も上手にできませんよね?
立体裁断の本も同じで、理解するための知識が無いと本を見ても理解できません。
更にそれを自分の手で再現するためのピン打ち、布の扱いなどの技術も最低限できないと、
いくら素晴らしい教本があっても上達しないのです。
Patr.1[基礎]でトワル組みの練習のときに、ピンの打ち方などが載っている立体裁断の本は参考になります。
でもそこで見てしまうと、多くの人は基礎の部分をほどほどにしてどんどん次に進みたくなるものです。
ブラウスやってみたいな♪ジャケットもぉ〜♪という具合に。ごくごく普通の人間心理だと思います。
もちろん例外の人もいるでしょうがそんな人はごく僅かです。
基礎ができていないのに進むとつまづきやすく、独学の場合は特に「どうせできないんだ」と挫折に繋がりやすいです。
もし本を見ても最初は焦らず基礎のページをじっくりやってくださいね。
それが確実に技術を身につける最短距離になります。
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10.立体裁断に参考になる本
わたしが立体裁断の勉強に使っていた本を参考にまでご紹介します。
1冊だけで全てを満たすのは無理なので、数冊揃えて必要なところを見るという使い方をお勧めします。
私が買った後で出版されたもので、こっちのほうが良さそうだと思ったものも書いておきます。
これらは専門書になるので、大きな本屋さんへ行っても在庫が無く取り寄せになることもしばしば。
わたしがいつも利用しているアマゾンの紹介ページにリンクを張っておきます。
本の詳しい内容や目次も書かれているので参考にしてみてください。
アマゾンに無いもの(一般販売されていない本)は購入可能の出版元のページにリンクを張ってあります。
[オススメ度★] わたしの個人的お勧め度合いを5段階表示で。
[★★★★★。。。とってもオススメ]
[★★★★☆。。。参考になる部分が多いから持っていると良い]
[★★★☆☆。。。使い方によっては使える]
★★・・・2個以下はそんな本を紹介してもね...ということで省略。
パタンナーが知っておきたい型紙の知識 |
パターンメーキングの基礎―体格・体型・トルソー原型・アイテム原型・デザインパターン・グレーディング [オススメ度★★★★★] 基礎から応用まで載っています。例えば普通の袖でも袖山が高い場合と低い場合ではどう違うかなど、とても詳しく載っている内容が濃い本です。型紙の修正の仕方からグレーディングの方法まで、パタンナーに必要な技術がギュッと詰まっています。中途半端な知識ではなくとことん知りたい人に向いている本です。パタンナーを目指す人のバイブル的内容になっています。 →本の詳細 |
パタンナーが知っておきたい生地の知識 |
文化ファッション大系 服飾造形講座〈7〉服飾造形応用編2 特殊素材 [オススメ度★★★★★] 立体裁断をするのには生地の特性も理解する必要があります。布帛以外の皮、ニットなどの特性や生地名などが写真付きで解説されています。さらに生地を生かすための型紙の作りのポイントや縫い方まで図解入りで説明されています。立体裁断の本ではありませんがとても参考になる本です。ニット用と布帛用ではどうして型紙が違うの?という疑問がある人や、皮のジャケットを作ってみたい人などにも使える本です。 →本の詳細 |
立体裁断の勉強に |
文化ファッション大系 アパレル生産講座〈3〉立体裁断・基礎編 [オススメ度★★★★☆] 文化ファッション講座より解説が詳しくなり2冊構成になりました。続きは下の(4)になります。立体裁断の原理から必要な用具、ボディのことから始まり、ピンの打ち方など立体裁断の基礎的作業が身に付くような構成になっています。あくまでも基礎編ということで原型に近いデザインが中心のため作品数そのものは少ないですが、写真(白黒)もしっかり載っているので細かいところを見ながら勉強できます。オススメ度は★4つですが本のお値段に対してだったら★5つ。 →本の詳細 |
文化ファッション大系 アパレル生産講座〈4〉立体裁断 応用編 [オススメ度★★★★☆] 上の(3)基礎編でしっかり学んでから、こちらの(4)で色々なアイテムやデザインを実習していくような構成になります。ギャザーのドレーピング方法や、デザインもののブラウス、スカート、ジャケット、コート、パンツなどバリエーション豊富に載っているのが特徴。例えばブラウスとジャケットではどんな風にドレーピングが違うのかが理解できると思います。オススメ度は★4つですが本のお値段に対してだったら★5つ。 →本の詳細 |
パターンメーキングの原理 [オススメ度★★★★★] アミコファッションズ出版。写真が多く載っているので立体裁断の基礎を学ぶにはとてもわかりやすい本です。全体的には立体裁断したものと同じものを平面で作業するには?そんな構成になっています。ジャケット、パンツなどの難しいものは載っていないので、基本的な原型、ギャザーやダーツ、衿や袖などの基礎勉強に使う本になります。立体裁断の基礎はすでにあり、色々なアイテムについて知りたい場合には物足りないと思います。 →本の詳細 |
工業パターンの勉強 |
文化ファッション大系 アパレル生産講座 工業パターンメーキング [オススメ度★★★★☆] 工業用ボディの解説からはじまりボディへのラインの入れ方なども載っています。工業用パターンテクニックの基礎を学ぶ本になります。ブラウスからコートまでは載っていますが上よりは少な目なので★4つ。 →本の詳細 |
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ご自分で探したい時にどうぞ。サーチを「本」にしてから選ぶと早いですよ。
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11.立体裁断が上達するには
出来上がったトワルを平面に写し型紙として仕上げ、必ず本番の生地で洋服にします。
そして洋服はボディに着せてチェックして、更に実際に着用してチェックします。
これらにより、型紙が縫いやすい線になっているか、生地と型紙が合っているか、
シルエット、着心地、動きやすさなどをチェックすることができます。
良い型紙とは縫いやすい線に自然となるものです。
そして縫いやすい型紙は自然と美しいラインになります。
それを見つけるための立体裁断です。立体裁断で終わりではありません。
あくまでも型紙を作るための一工程であることを忘れないように。
上達するコツがあるとしたら、それは数をこなすこと。
5着とか10着とかそんな単位ではなく、上達するには100以上こなす必要があるでしょう。
実際には100では足りませんから、真剣に数をこなすだけ上達するものだということです。
平面の生地を3次元に操る。それが立体裁断です。
生地の縦糸と横糸には張力が働いていること、重力の方向に生地が落ちること、地の目の役割。
それらをまず体感して理解してはじめて立体裁断ができるようになります。
これらの兼ね合いは生地によっても当然変わってきます。
これらを理解していないと、いつまで経っても正確な立体裁断が出来ません。
理屈で覚える部分もありますが、体で覚える部分が多いのも立体裁断です。
ここまで読んだあなたはきっと「独学って、なんて大変なの!」と思ったかもしれません。
でもそれをやり通せる人なら必ず身に付くと思います。
最後に必要なのは意見を言ってくれる人がいないですから、
いかに冷静に自分のトワルを観察できる目を持っているか大切になってきます。
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最後に。
立体裁断のやり方の画像や説明は無いのですか?と思った人がいるかもしれません。
こんなことを書いているわたしもより良い型紙が作れるように、
毎日型紙と向き合っている一人のパタンナーであり、先生ではありません。
教える立場の人間だとは思っていないので載せませんでした。
そうですね。参考になるのかはわかりませんが、
実際にわたしが立体裁断をしている「ドレーピングルーム」がありますので、
そちらをご覧になってみてください。気づくものがある人は気づくようですから。
お互い頑張りましょうね。
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