キイヤの芯地張婦人ボディはどんなボディ?

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 ボディメーカーの「キイヤ」様より、
 ボディ(人台)選びのお勧めサイトとして、当サイトがお墨付きを頂きました。
 メーカーさんから見ても、的確でわかりやすい説明がされているそうです。

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「ボディ(人台)の選び方」の最後にも書きましたが、
人それぞれに体型(肉付きや骨格)が違うために、万人にお勧めできるボディはありません。
でも、これからボディが欲しいと思う人というのは、寸法を見ただけではとても迷うようです。
私自身も学生の時に始めてボディを買ったときは迷いましたから、その気持ちがわかります。

今の私は店頭以外にも、会社、学校、友人宅でと色々なボディを見て触ってきたので、
少しだけボディごとの特徴を知っています。そのお話しをしたいと思います。
例がないと詳しく書けないので、今回は実際に例を上げて進めていきます。
尚、ボディには婦人用以外にも紳士用や子供用もありますが、ここでは婦人用についてです。


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*工業用ボディまではいらないけれど、立体裁断や補正に使いたい場合*


このケースが一番多いと思います。
工業用ボディは「プロ」っぽい響きがあって憧れるけれど、そこまではね...
そう思うのが一般的でしょう。自分だけがそう思っている訳ではないので安心してください。

工業用では無いものは「普及品」とでも言うのでしょうか。
その中で、いいものを選べばいいだけのことですから。

一般の人は普及品を使いこなして物足りなくなってから、工業用ボディを考えるで十分だと思います。
立体裁断が自由に思う存分できるくらいになってからでも遅くありません。

また、洋裁用ボディと装飾用(ディスプレー用)ボディは全く違うものですので、
間違って装飾用を買わないように気をつけましょう。


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*やっぱり工業用ボディが欲しい場合*


工業用ボディの多くは「ゆるみ分」というのが入っています(入っていないものもあります)。
それを踏まえた上で選べば、普及品と選び方は同じになります。
下のほうで詳しい説明がありますので参考にしてみてください。
ゆるみ分が入っているボディの場合は必ずゆるみ分を確認するのを忘れずに。


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*普及品ボディで良さそうなのは?*


工業用ボディメーカーでもある(株)キイヤ製が良いと思います。(工業用ボディ名はキプリスなど多数。)
その中で レディス 芯地張りボディ は、立体裁断の入り口用として作られたボディです。

キイヤの芯地張ボディは値段にしては形が綺麗です。私がブログで使っているボディもこれです。
工業用ボディを使ってブログを更新しても参考になる人が少ないですし、
一般的に多く使われているという単純明快な理由からです。
コメントが頂けるブログのほうが運営してても楽しいですから。


【特 徴】
1.クセの無い形で綺麗なラインをしている。(変な肉が付いていない)
2.ボディの縫い目部分も綺麗。(縫代もきちんと処理されていてボコボコしてない
3.表面の生地もこの程度なら問題無し。
4.触ったときにしっかりしている。(変なフカフカが無い)
5.サイズが豊富。(10種類)
5.1〜4を満たす中では一番安い。


文章にすると、
普及品の中で立体裁断に使えるだけのラインを持ったボディであり、値段がお手頃。


普及品でも色々なメーカーのボディがあります。
それぞれに特徴があるのですが、「クセ」が無いもののほうが使いやすいです。
それは、そのクセが自分にピッタリ合うクセならいいですが、合わないことのほうが多いからです。
ボディにおけるクセとは、骨格や肉付きに表れます。
『ここに肉なんていらない!』と思っても、『このボディって鳩胸なのね...』と思ってもボディは削れません。
『私こんなにそり身ではないのですが...』と思っても、ボディは背筋を伸ばしてくれません。

それともうひとつ。最初は自分の洋服だけを作って楽しんでいても、
お母さんに、お子さんに、お友達などに作ってあげようとなることが多いのもあります。
趣味の範囲でしたら一体で済むのならそれに越したことはありません。


こんなボディです。

ライン無し ライン有り

「ライン無し」と「ライン入り」がありますが好みでいいと思います。
ラインは便利だから大好きと言う人ももちろんいますが、
ラインが入っていても使わない人もいますし、自分で入れることもできます(ちょっと大変ですが)。
万全の体制を整えたい場合はライン入りを選ぶといいでしょう。


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*キイヤの芯地張ボディは形がいいのにどうして安い?*


使われている材質が工業用ボディと違うからです。
アパレルで使う場合は耐久性が求められるために、工業用ボディは丈夫な材質が使われています。

表面に使われている生地、ボディの中身に使われてる材質、首の上についてる材質、脚の材質。これらが違います。
でもキイヤの芯地張ボディも趣味で使う分には全く問題の無い材質で、普通に使う分には壊れません。
材質を安いものを使うことにより工業用ボディのノウハウを活かしつつ、
形がきれいだけど安いというのがこのボディの特徴でもあります。


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*どんなサイズがあるの?どうやって選ぶの?*


サイズはかなり多いですが、自分に合うのがあるかが一番の問題です。
服を着るときに着る下着を着用した状態での寸法です。
スリップやガードルを着用する習慣がある人はそれも含んだ寸法です。

サイズ
表記
B W H 肩幅 背丈 silkpinメモ
(今の人の体型でのサイズ。メーカー表記と少し違います)
76 76 56.5 84.0 36.0 36.0 5号くらい
78 78 58.5 85.5 36.0 36.5 5〜7号の間
81 81 58.0 86.5 36.5 37.5 7号くらい
83 83 59.5 88.0 37.0 38.0 7号と9号の間
85 85 62.0 90.0 37.5 38.5 この辺りが9号
87 87 64.0 92.5 38.0 39.0 9号〜11号の間
89 89 65.5 94.0 38.5 39.5 11号〜13号
L1 89 68.5 92.5 39.5 39.0 13〜15号くらい
[87サイズ]の上半身が大きめバージョン
87の変形サイズとして考えても可
L2 93 73.5 97.0 40.5 40.0 15号〜17号くらい
L3 99 79.0 103.0 42.5 41.0 17号〜21号くらい
自分のサイズ
との差(最大)
-2

+5
-2

0
-2

+3
... ... 背巾と肩幅は長身以外では無視。
詳細は下記参照。
 サイズ B W H 肩幅 背丈  silkpinメモ

【一番お勧めのサイズ選びの手順】
1.肩幅と背丈は無視する(すごく長身の人は除く)。
2.ボディのW(ウエスト)は自分と『同寸or小さめ(マイナス1センチ)』をまず選ぶ。
3.ボディのB(バスト)は『同寸or大きめ(0〜プラス5センチまで)』を次に選ぶ。
4.ボディのH(ヒップ)は『同寸or大きめ(0〜プラス3センチまで)』を最後に選ぶ。
*ただし、ピッタリしたカットソーを多く作る人は、ボディのゆるみ分が少ない方にします。

このような順序で当てはまるボディが自分にとって使いやすいボディになります。
ピッタリ同じ人なんて少ないですから許容範囲を作って選びます。
つまり自分に近いサイズで、全体のバランスの良い形を知ることも洋服作りには大切でもあり、
また、上に上げた範囲でボディが少し大きくなる分はゆるみ分として理解できる範囲だからです。
(この場合のゆるみ分とは、人間が呼吸するときや最低限の動作に必要な分量です)


【逆にボディのどこかが自分よりも小さい場合(自分のほうが部分的に大きい場合)】
多くの人は上に書いた考え方で、自分に当てはまるサイズがあると思いますが、
現代人の体型を考えると、ヒップが問題になる人が多いです。
でも、ボディのヒップは自分でも肉付けしやすいので、小さい分にはあまり気にしなくても大丈夫です。
市販のヒップパッドを使っても良いですが、キルト綿を入れたピッタリミニスカートのようなものを作り、
それを着せるだけでも全然違います。(会社で実際にやっていました。)

ボディのバストが小さい場合は、許容範囲としてはマイナス2センチですが、
それ以上の場合は肉付けして使えば、許容範囲が広がります。
キルティング用の硬綿で厚みを出して表面にシーチングを留め付けます。
着用状態だけをチェックしたい場合は、ブラ用のブラパッドでも十分でしょう。


*尚、肩幅と背巾はすごく差がある時以外は気にしないのは、
特に肩巾は流行で変化するため無視しても良いため。
背丈は背中のウエストでピッタリした服を作る場合は考えますが(カクテルドレスのようなもの)、
普通の服はボディから離れるので、実際にはあまり影響が無いためです。
自分で自分の背丈をボディに入れなおせば対応できます。


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*買うときの注意点*


【想像以上に大きくて重たい】
買って持って帰るというのは絶対止めた方がいいです。
すごく大変ですし、かなり恥ずかしいです(初めてボディを買った時の私の経験談)。
得体の知れない巨大な荷物はかなり目立ちますし、今のご時世ですと職務質問されると思います。

ボディ本体はそんなに大きくありません(縦横:約20センチ強×30センチ強)。
でも盲点でもあるのですが、ボディを買うとダンボール箱に入っています。
これがかなり大きくて、持つと重たいのです。

ボディは使っている時に倒れないように台座があり、それがとても重たく、
またボディが変形しないように箱の中の空間も大きくゆとりのある箱に入っています。
邪魔だからと言って箱から出して運んではいけません。意味のある箱ですから。


【在庫が無い・基本的には取り寄せ商品】
大きな荷物が積める車で実店舗に買いに行くか、通販で買うという方法がありますが、
ボディは在庫が無くて取り寄せになる場合が非常に多いです。
実店舗だと二回出かけることになるので、ネットで買うのが便利です。
ネットで買うと玄関まで運んでもらえるというのもとても魅力です。
ボディ持ってマンションの階段は特に気をつけなくてはなりませんが、運送屋さんは慣れたものです。

色々なネットショップの中で、このボディの値段と送料が良心的なのは、アステックさんでしょう。
ボディの定価はいくら?なんで送料がそんなに高いの?と思うようなお店もありますのでご注意を。
ここで紹介した芯地張りボディ以外にも工業用ボディも扱っています

アステックさんは、ボディー&トルソー専門店なので、女性、男性、子供、犬用まで種類豊富です。
アステックさんサイトへ


【中古品の購入】

中古品を買う場合は、変形していないかが一番の問題になります。
本人が気づいている場合もありますが、気づいてない場合もあるからです。
(表生地の綺麗とか汚いなどはその後に考えることです。)

また、ボディ用のダンボールを保存している人が少ないのも問題です。
私は引越し用に箱を保存してありますが、それでも引越し時は梱包が大変でした。
箱が無くて下手な梱包をされて輸送中に変形したらボディの意味が無くなります。
箱があっても梱包が下手な人がやると危険です(梱包にはテクニックが必要なため)。

個人的には一度買うと長く使えるものですから、新品を買ったほうが安心できると思います。



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*ボディがある洋裁ライフ*


自分ではなくボディに出来上がったものを着せるというのは、
客観的な視点で洋服を見ることになります。
自分が着用して鏡越しに見ているのとは違うことに気づきます。

例えば、ポケットや釦の位置を決めるときにボディに着せると決めやすいです。
衿などの大きさのバランスにも気づくでしょう。
部分を見るのではなく、全体のバランスというのを意識できるようになるためのものでもあります。


自分に合ったボディが見つかりますように。



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