平面製図を独学する実践編

平面製図を実践で学ぶ

【平面製図を独学する入り口】で「原型」が出来上がりましたので、
いよいよ作りたい服の型紙を作りながら勉強していきます。


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【step3:作りたい服の型紙を製図する】
デザインや用途、生地などを考えながら身頃から製図をして、それから袖や衿などを製図していきます。

洋裁学校での学習手順は、
『製図→製図を先生にチェックしてもらう→製図の修正→仮縫い→先生にチェックしてもらう→本番縫い』です。
でも独学の場合はチェックしてくれる先生がいませんので、自分でチェックすることになります。


最初は平面展開を見て出来上がりを想像するのは難しいです。
いきなり本番生地で作って失敗すると悲しいので、
仮の生地(シーチングなど)でどんどん形にしてみましょう。
立体裁断の勉強ではありませんが仮縫いが必要になります。

この「どんどん形にする」というのが独学のポイントです。
もう少しカーブを強くしたらどんな形になるんだろう?
衿腰が高い衿ってどれくらいなんだろう?
ダーツはどれくらいまで取れるんだろう?

そういったことを意識しながら製図するのが大切です。
「この前のよりも、もっと衿腰が低いのがいい」という風に、違うもの製図をするときの基準になっていきます。


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【step4:仮の生地について】

布帛の場合はシーチング。ニット生地の場合はニット生地を使います。
安くて、無駄になっても惜しくない生地を使うという意味ですから、
シーチングを使わないとダメという意味ではありません。
仮縫いして良かったら、そのまま縫って着れるような生地でも構いません。
安い生地を見つけたら多めに買っておくと便利です。


ただし、立体裁断の話しでも書いてますが、
本番に使いたい生地が特殊な風合いを持つ生地の場合であったり、
仮の生地と本番生地が全く違う雰囲気の生地の場合は、出来上がりの雰囲気を掴みにくい場合があります。

その場合は、本番生地に似た風合いの「捨て生地」で仮縫いをする方法が一つ目。
二つ目は、最初にシーチングなどで仮縫いしてから修正箇所をチェックして型紙を修正し更に、
本番生地で縫代を5ミリ程度多く取って仮縫いし、再度チェックを行う方法があります。
これは学校の授業でやる手順です。高い値段の生地のときはこの方法が良いでしょう。


また、シーチングには種類があり、ガーゼのように薄いものからブロード程度のもの、
キャンバス地のような分厚いものでたくさんの種類があります。
本番で作りたい生地の厚みに近いものを使うのがベストになりますが、
一般的にはブロード程度(薄手と表現されます)のものがあれば、軽中衣料の仮縫いが可能です。
ジャケットやコートを仮縫いしたい場合は、少し厚手のシーチングを使いましょう。


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【step5:アイテムごとの違いを知る】
極端な例ですと、ブラウスとコートの型紙は違うものです。
一番の違いは「ゆるみ分の入れ方」です。
他には縫製も違ってくるので縫代巾なども変わってきます。

アイテムによって「どこにどんなゆるみを入れるか」も知らないと平面製図は作れませんし、
縫うのも自分ですから縫製も一緒に勉強していく必要があります。
必要な(自分が作りたい)アイテムごとの勉強を順番にしていきましょう。



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人によって知りたいことは変わってきます。
最低限揃えるのは「基礎編」です。その続きは自分にとって必要なものだけでも十分です。

私が持っているものと、私が買った後で出版されたもので、こっちのほうが良さそうだと思ったものも書いておきます。
これらは専門書になるので在庫が無く取り寄せになることもしばしば。
わたしがいつも利用しているアマゾンと楽天ブックスの紹介ページにリンクを張っておきます。
本の詳しい内容や目次も書かれているので参考にしてみてください。


一冊で広く学べる本はありますか?
洋裁百科 (レディブティックシリーズno.3470)
本の実物を見たら厚くて驚くかもしれません。本の厚みが3.3センチあります。
他の洋裁関連本と比較すると4〜6冊分に相当する厚さだけあり、内容も比例して充実しています。

文化式、ドレメ式、かこみ製図での解説。原型作り(文化式、ドレメ式共)の解説は線を引く手順を追っての解説ですので、原型って難しいと感じている人にもわかりやすいです。文化式原型とドレメ式原型からの展開の仕方や基本的デザインの各アイテム別の製図方法。製図の説明だけで約100ページ載っています。
部分縫いもわかりやすい図説付きになっていて、ポケット(27種)、衿((35種)、あき始末(31種)、袖(23種)、ウエスト始末(15種)、その他裾始末やフリルの付け方、シャーリングまでありとあらゆる説明が載っています。
改訂版は子供服特有の縫い方の説明が7項目追加されています。
本の詳細

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アイテム別基礎作図集
文化式原型作りから原型ダーツの移動の仕方。ブラウス、ワンピース、ジャケット、コートの基本的デザインの平面製図方法が載っています。ダーツ展開(移動)がよくわからないという方には参考になります。
本の詳細

文化式を学ぶ
文化ファッション大系 服飾造形講座(1)服飾造形の基礎
洋服づくりの概念と原型作りについて書かれた本です。「ゆるみ分の考え方」などが概念にあたり、それを踏まえて原型を作って行きます。
本の詳細

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以下は各アイテム別の作図と縫製についての本です。縫製は工業縫いに近い感じものです。

文化ファッション大系 服飾造形講座(2)スカート・パンツ
ボトムについて。パンツは採寸方法も載っています。
本の詳細

文化ファッション大系 服飾造形講座(3)ブラウス・ワンピース
軽衣料、中衣料についてです。
本の詳細

文化ファッション大系 服飾造形講座(4)スーツ・ベスト
重衣料についてです。
本の詳細

文化ファッション大系 服飾造形講座(5)コート・ケープ
重衣料でも特に一番上に羽織るものについてです。
本の詳細

文化ファッション大系 服飾造形講座(9)メンズウェア1
男子原型の作図法。シャツとパンツが掲載。
2005年6月1日に「1」が出たのでそのうち「2」が出ると思うのですが、まだ出版されていません。
本の詳細

ドレメ式を学ぶ
ドレメ式の基礎編は以下になります。

ドレメファッション造形講座 (1) (ブティックムック (No.332))
基礎編の上巻。用具・しつけのかけ方・縫い代の始末などの初歩から、ポケット・衿のつけ方まで種類別に図解。

【送料無料】 ドレメファッション造形講座 2 ブティック・ムック 【ムック】
基礎編の下巻。あき・袖・その他(ウエストの始末、ほつれ止め)など。

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ドレメファッション造形講座 (3) (ブティックムック (No.342))
スカートとパンツの平面製図の本です。

ドレメファッション造形講座 (4) (ブティックムック (No.358))
ブラウス、ワンピースの平面製図の本です。

ドレメファッション造形講座 (5) (ブティックムック (No.359))
スーツの平面製図の本です。

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ドレメファッション造形講座 (6) (ブティックムック (No.371))
ジャケットとベスト。上級編の位置づけの本。作図も載っていますが縫製に重点を置いた本です。
ジャケットバリエーション(8点)と、ジップアッブやフリンジ付き、ベアバックなど。

ドレメファッション造形講座 (7) (ブティックムック (No.372))
コート。上級編の位置づけの本。作図も載っていますが縫製に重点を置いた本です。
ベーシックからデザインもののコートまで14点。

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ドレメファッション造形講座 (8) (ブティックムック (No.384))
ベビィ、こども服の平面製図の本です。

グレーディング(サイズ変更)を学ぶ

下の「パターンメーキングの基礎」でもグレーディングについて載っていますがそれ以外で。
グレーディング作業は1ミリの半分といった作業が出てくるので、細かい作業が得意な人に向いていると思います。

文化ファッション講座 婦人服(4)
この本は旧サイズ、旧原型での本です。婦人服の平面製図について書かれていますがデザインが古いので、作図に関してはあまり参考にならないです。上のファッション大系のほううが良いです。でも、グレーディングについて載っている本の中では価格が安いということでご紹介しておきます。
子供服のグレーディングの本はありませんので、婦人服で学ぶことになります。考え方は同じですから大人服が理解できれば子供服同様にできるようになります。
中古本のみしか売ってませんが、内容的に古本で十分です。
本の詳細


以下は、立体裁断の独学ページでも紹介している本です。平面製図の勉強にも使えます。

型紙の知識をもっと身に付けたいとき

パターンメーキングの基礎―体格・体型・トルソー原型・アイテム原型・デザインパターン・グレーディング
型紙の修正の仕方からグレーディングの方法まで中途半端な知識ではなく、とことん知りたい人に向いている本です。
本の詳細


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作れるようになりたい!という気持ちが一番大切なことです。
趣味なら尚のこと、楽しむことを忘れないでくださいね。



【おまけ:基礎編の最初のページが嫌い?】
多くの専門書の最初に、洋服の歴史や人間の運動量の話が書かれています。
年齢別の体系図も載っている本があります。
歴史の話しは興味ある方が読むと楽しいですが、興味ない方は飛ばしても大丈夫です。
私は学校の先生ではありませんからこんなことが言えるのです。
大切なことではあるのですが文章が面白くないので、読む気が半減するのは誰もが思うことです。

運動量の話しは、例えば「手を上げるとこれだけの運動量」つまりゆるみ分が必要になるという図解付き説明です。
最初はさっぱりわからないと思いますので「図解」だけなんとなく眺めておきましょう。
色々なデザインの製図が作れるようになったときに「なるほど!」と理解できるようになります。
それからじっくり眺めても遅くありませんよ。

年齢別の体系は自分自身が一番感じることだと思いますので、飛ばしても問題ありません。
家族の洋服を作ってあげるなど、自分用以外の型紙を作る場合は確認しておきましょう。



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