コートを縫うには・・・FAQ集

コートを縫ってみたいのですが、参考になる本はありますか?

ブラウスやボトムは縫った経験はあるけれど、
本格的なジャケットやコートは縫ったことがない方から頂いた質問です。
今回ご質問を頂いた方は、冬物コートとスプリングコートを縫いたいとのことでした。


コートは重衣料に分類されます。
同じ袖のあるトップス(ブラウス等)とは型紙の作り方も違いますし(ゆるみの違い、縫代巾等)、
接着芯の貼り方や縫製方法を知っておく必要があります。
また、裏付きの場合は、裏地の型紙も作ることになります。

コートを縫うのは難しそうに聞こえるかもしれませんが、
順番にその形に合った縫い方をしていけば、きちんと出来上がります。

私も学生時代、一年生の冬にはコートを縫いました。
学校ではジャケットはその後でしたので、デザインにもよりますがジャケットよりも難しくないのです。
ブラウスやボトムを縫ったことがある人でしたら作ることができるでしょう。


:::型紙の違い:::
コートは洋服の一番上に着るものですから、ゆるみがたくさん入ります。
また、生地が厚くなると衿は「表衿と裏衿」の2つの型紙が必要になり、
生地の地の目を表衿と裏衿で変えたり、裏衿だけはぎを入れたりといった工夫が出てきます。

裏地の型紙は見返しを除いた形で作りますが、裏地は表生地のように伸びないので、
袖ぐり付近のみ運動量のゆるみを表生地よりも多く入れて、表袖の型紙と違う形状になります。
その他の部分は縫代巾で「きせ」を入れてゆるみ分とします。


:::接着芯:::
生地に合せていつも使っている接着芯よりは厚手のものを使用したり、
ブラウスでは貼らない袖ぐりなどに伸び止めテープを貼ることもあります。
ソフトな仕上がりにしたい場合は最低限の場所にしか貼りませんが、
逆にパリッと仕上げたい場合は身頃に芯を貼る場合もあります。

冬物のコートは生地が厚くて、服の重量がブラウスよりも重たいですから、
薄い芯地を使うと生地の重みで潰れるため、思ったほど衿が立たなかったりします。
薄過ぎない芯地を選ぶように心掛けると綺麗にできます。


:::縫い方の違い:::
表生地を縫うときはブラウスでしたら縫代を片側に倒す場所でも、コートだと縫代を割る場合が多いです。
生地の厚みで縫代がゴロゴロしないためです。

裏地を縫うときは「きせ」を各所に入れて縫います。
「きせ」とはゆるみ分となるものでボトムやジャケットを縫う時にも入れます。
裏地は表生地のように伸びません。けれども裏地用パターンは袖ぐり以外はゆるみを入れて作らないので、
縫うときにゆるみを入れるのです。
裏地のきせは入れる場所は決まっているので、ルールさえわかればすぐに理解できます。


コートを作る時にあると便利な本

接着芯の本―失敗しない接着芯の選び方、はり方
接着芯について書かれている本の中で、この本が一番わかりやすくてお勧めです。

ペアテープの説明も載っているのでソフトな袖付けにしたい場合は参考になります。
コートについては6アイテムについて、図説でどこにどんな芯が必要かが書かれています。

素材別に接着芯品番の紹介や貼り方なども載っていますので、生地に合った接着芯を選ぶのにもとても参考になります。各ページに載っている品番は、左に並んでいるほうが薄い芯地になりますが、貼る生地によっては逆の減少(薄いはずなのにボテッっとする)ことがあります。織物の芯よりも編み物(トリコットタイプ)に多い現象でこればかりは実際に貼ってみないとわかりません。初めての芯地、初めての表生地の場合は接着テストを行う習慣を付けるとより安全です。接着テストの方法も載っています。

本の詳細


ジャケットとコートの手ほどき
タイトルどおり、ジャケットとコートの作り方が写真付きで載っている本で、コートの実物大型紙が3種類、S、M、ML、Lの4サイズ付録となっています。若干大きめですので、若い人でしたらLLサイズの方が付録のLサイズで着られると思います。実物大型紙3種を応用して更に5種類のコート、合計8種類を作ることができます。原型からの作図方法も載っていますから、自分で型紙を作ってみて付録の型紙と重ねてみると、自分の作図のクセに気づくことができます。そんな勉強にも使えます。掲載されているコートのデザインはベーシックなものです。

図説で接着芯を貼る箇所や裏地用の型紙の作り方も載っています。縫代巾も書いてあるので参考になります。接着芯の貼り方や注意点は写真付きでの解説になっています。

縫う時の待ち針の打ち方から、中縫い後の縫い代カット、くせとりアイロンのかけ方までかなり詳しく写真が載っています。コートは衿の縫製が重要ですので写真の解説でしっかり確認してください。縫い目を利用したポケット、フラップポケット、箱ポケットの縫い方も写真付きです。

初めてコートを縫う人は不安が多いですから、ひとつひとつ写真付きで説明されているこんな本がわかりやすいと思います。半裏の作り方はジャケットのページに載っています。

本の詳細




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